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シナにだってモラルはある。だがわれわれの考えるモラルとはことなっているだけのなのだ。以下、それについて述べよう。 共同体とはコミュニテイ(Community)、あるいはコミューン(Commune)の訳語であるが、コミューンの場合は「公社」(Gong She)というシナ語があるので、コミュニテイを共同体の原義としておこう。しかし日本語で、コミュニテイとは「地域コミュニテイ」とか「ネット・コミュニテイ」とかまるで同好会とか仲良しクラブのように使用されるので紛らわしい。 ここでは独語ゲマインデ(Gemeinde)を使用しておこう。中高の教科書にも記述があると思うが、ゲゼルシャフト(Gesellschaft, 社会)と対立し相補う社会学用語である。 たとえば、家族、教会、スポーツ・クラブなどはゲマインデである。 会社や一般公共社会はゲゼルシャフトである。 ゲマインデは私的、ゲゼルシャフトは公的。 ゲマインデは暖かく、ゲゼルシャフトは冷たい。 ざっと簡略して分類すれば以上のようであろうか? 近代社会とは、ゲマインデが崩壊しゲゼルシャフトに置き換わって行く。それが欧州で発生した近代というものである。 ゲマインデとは近代人にとっても一種の逃げ場である たとえばドイツで有名な話がある。16歳になった息子が家から独立したい、しかし独自の部屋を借りる収入がない。親に援助を申し出たが断られた。そこで裁判所に親を訴えでた。息子は独立する権利があり、親は息子の独立を援助する義務がある、というわけである。結果は息子の勝訴となった。晴れて独立した息子は、週末ごとに親元へかえり食事をする。 これが近代社会というものである。個人の権利という一般社会規範が、家のルールを超越している。そして家族間の訴訟という事態になったら前近代的社会においては、家族は崩壊する。しかし近代社会では平気なのだ。家族さえ個人と個人に分解されてしまう。 我が家でも、夕食に家族三人がそれぞれちがう食物を摂取する、ということが間々ある。これはドイツでは普通である。家族が好きなときに別々の時間に食事することさえある。一家そろって楽しい夕食、さえないのである。 前近代社会であれば、家族内の問題は家のルールによって処理されるべきである。それはゲマインデ内の規範である。しかし、いわゆる公衆道徳といわれるゲマインデ外の規範もある。 ![]() 日本社会を考えてみよう。あるサラリーマンの奥さんが買い物に行ったら、だんなの上司の奥さんにあった。丁寧に挨拶をしレジの順番を先にゆずった。これなどもゲマインデの規範である。してみると日本の会社はゲマインデのようである。しかし知らない奥さんにはぜったい順番などゆずりはしない。しかし知らない同士でも体を触れ合ったときは、「失礼」とか「すいません」というくらいのマナーはある。二重規範である。 これも日本が欧州の基準による(ことの良し悪しの判断は別として)近代化が完全には成立していない証明かもしれない。 シナではこのゲマインデとそれ以外の二重規範は存在しない、といってよいだろう。なぜならゲマインデ内の規範しかなく、ゲマインデ外はルールなしの無法地帯と化す、といってもよいからだ。 これは前近代というよりは、やはり古代的社会というべきだろうか。私的社会とそれ以外、という区別しかなく公衆社会が存在していないのだ。 ![]() さてシナのゲマインデといえば、家、宗族(Clan)である。つまるところ同姓で先祖を同じくするものたちの集団が決定的に重要で、そしてそれだけが人間関係をきづくべースなのだ。その集団以外はもう人間社会ではない。だから宗族以外の人間が毒入り食品で死のうが自分には関係ないとして平気でいられるのである。 よくこれを社会道徳の問題として勘違いするむきが多いが、まったくの誤解である。 モラルとは、シナにおいては宗族あるいは擬似宗族の内だけで機能するものであって、それ以外にモラル機能が及ぶことはないのである。 すなわち宗族以外の、つまりモラルがおよぶ範囲以外の場所で宗族以外の人間となにごとかのかかわりが生じた際にも、そこにはモラルの要求がない。 だから他人を騙したり、利用するだけ利用したり、損害をあたえたりしてもなんら罪悪感を持つこともないし、持つ必要がないのである。なにしろそこにはモラルの要求がないのであるから。 しかし宗族内においては厳格なモラルが要求される。子の父に対しての、分家の本家に対しての、宗族の長に対してのなどなどいちいち細かく規定されたモラルがあり、それに違反したもにはそれに応じた罰が与えられる。家族のメンバーにたいしてもその関係によって細分化されたよび方がある。 父方か母方かにより祖父母、おじおば、いとこなどの呼び方が違っている。また年齢にかかわらず世代によって呼び方がきまる。祖父が若い何番目かの夫人に息子を生ませた。父にとっては弟にあたる。わたしはその新しい父の弟より年上であるが、その子を叔父としてうやまわねばならない。 このような厳しい規範でしばられた宗族こそが社会単位であって、またそれしかないのである。表向きは、宗族より上位の行政府が地方から中央までピラミッドのように作られているものの、宗族とくに家族が決定的な役割をシナ人社会にはたしていることは間違いのないところである。 宗族の廟会での観劇 これを支えるイデオロギーと宗教が儒教である。近代革命以来、儒教イデオロギーが目の敵とされてきたことに理由がないわけではないのだ。しかし今に至るも儒教が死滅したわけではない。イデオロギーとしては抑圧されて社会底部に潜むことになったが、宗教としてはどんなに抑圧されようとも生き延びている。それはシナ社会の宗族あるかぎり絶対に必要なものであるからだ。 しかしそれは、いわゆる宗教とはややことなっているだけなのだ。このこと別稿で述べるとしよう。 人気blogランキングへ参加しました。よろしければ応援のクリックをお願いします。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
規制の対象(コンテンツと規制について その1)
情報の価値判断と規制について考えてみたい。全9回シリーズでエントリーする。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/24 16:57 |
中国の世界覇権戦略 (中国の世界覇権戦略 その1)
中国の覇権戦略を考えてみたい。全5回シリーズでエントリーする。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/24 16:59 |
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昨今問題になっている、東シナ海のガス田。一説では尖閣諸島周辺海域の油田はイラク油田に匹敵するとも言われている。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/25 12:25 |
コンテンツと媒体(コンテンツと規制について その3)
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日比野庵 本館 2007/12/25 16:08 |
民主国家の弱点 (中国の世界覇権戦略 その3)
先日、オーストラリアで総選挙が行われ、政権交代が決まった。親中派のケビン・ラッド党首が次期首相に就任することになった。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/25 16:10 |
中立とは何か(コンテンツと規制について その4)
政治的立場もそうだけれど、情報に中立性を求めるのはそもそもにして難しい。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/26 08:17 |
心を攻める覇権維持 (中国の世界覇権戦略 その4)
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日比野庵 本館 2007/12/26 08:19 |
自由と公平(コンテンツと規制について その5)
新聞や本、ネットでもそうだけれど、読む人が情報を得ようとするとき、まず見るのは見出しや題名。現代人は忙しいから、全部の雑誌の全部の記事を丹念に読むことなんて殆どできないし、しない。だから各社は読者の気を引こうとして、刺激的な見出しをつけて、少しでも読んでもらおうとする。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/26 23:05 |
日本の対策 (中国の世界覇権戦略 最終回)
中国が世界覇権を取ったとき、日本が隷属しておこぼれをもらうようになるのが嫌なのであれば、シーレーンを中国に抑えられても対応できるようにならなくちゃいけない。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/26 23:07 |
情報価値のつけ方(コンテンツと規制について その6)
検索エンジンの中で、急成長を遂げているもののひとつにグーグルというのがある。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/27 22:06 |
中国の軍事拡張の問題 (中国の世界覇権戦略 補追1)
純軍事・外交的戦略だけでみて、中国の拡張政策について考えてみたけれど、国内に抱える様々な問題を差し置いて、現実にそんなことができるのかという点について考えてみる。本エントリーを、今回の中国の世界覇権戦略シリーズエントリーの補追としたい。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/27 22:07 |
2ちゃんねる(コンテンツと規制について その7)
ネットにはグーグルと同じく、自らのコンテンツを持たない存在もある。その中で代表的なものは、1000万人が利用しているとも言われる2ちゃんねる。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/28 19:33 |
ロングテール(コンテンツと規制について その8)
オンラインショッピングの世界でよく取り上げられるビジネスモデルとして、ロングテール・ビジネスモデルというのがある。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/29 16:30 |
万人の秀才とひとりの天才(コンテンツと規制について 最終回)
コンテンツ自体は何がしかに偏ったものしかありえないと言ったけれど、政治的内容とか、公序良俗だとか、その他優れた考えなんかが同じ人から発信されている場合も当然ある。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/30 17:20 |
来年もよろしくお願いいたします。
2007年もあとわずか。街にでると、イルミネーションはつい先ごろまで、クリスマスバージョンだったのに、其処此処で、琴や笛の音楽がきこえてくると途端にお正月になるのが不思議です。 ...続きを見る |
日比野庵 本館 2007/12/31 22:53 |
毒餃子と日経の海賊版コラム
別の話題のエントリを書こうと思ってところ、たった今、中国産毒餃子の事件を知りました。被害者の一人は一時意識不明の重態だったと報道されています。今度はJTフーズが輸入し、販売がCOOPだったとか。 以前、古森さんブログに私が「中国製品はノーモラル、アンフェアー、イリーガル」と書いたら、古森さんから「最近はこれに“リーサル”が加わった」との返事をいただいた事がありました。正に古森さんの予言が現実のものとなりました。いい加減、日本の消費者はモラル無き中国ビジネスに対して「No!」と言わないと、命の保証... ...続きを見る |
櫻党EX 2008/01/31 00:28 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
マルコおいちゃんさん、こんにちは。 |
ナルト 2007/12/19 12:00 |
こんにちは〜。 |
umejum 2007/12/19 13:21 |
うえのコメントをみてイザみてきましたが、なんか沸いて出てますね。おつかれさまです。 |
nhatnhan625 2007/12/19 14:59 |
ナルトさん、 |
マルコおいちゃん 2007/12/19 16:19 |
umejumさん、 |
マルコおいちゃん 2007/12/19 16:23 |
武閑老師、 |
マルコおいちゃん 2007/12/19 16:25 |
こうやってみるとやはり日本は「バランス型」でしょうかね。 |
にほんはにほん 2007/12/19 17:00 |
おいちゃんさま,私めは日本におりますよー。 考えてみれば,まんだりんを操れる日本人と見れば格好のターゲットになりますもんね。 マジで気をつけてくださいね(汗) |
umejum 2007/12/19 17:32 |
にほんはにほんさん、 |
マルコおいちゃん 2007/12/19 17:47 |
umejumさん、 |
マルコおいちゃん 2007/12/19 17:49 |
日中友好団体と言ってもこの団体の本職は別にあるんです。私はあくまで本職に重点をおいてほしいだけなんです。 |
ddzggcd 2007/12/19 22:45 |
ddzggcdさん、 |
マルコおいちゃん 2007/12/19 23:21 |
>悲惨結果を自国だけではなく周辺地域さらには世界中に撒き散らして |
ddzggcd 2007/12/20 06:47 |
ddzggcdさん、 |
マルコおいちゃん 2007/12/20 16:38 |
老師のイザのブログが今日はひらきにくいのでこちらに失礼します。福島記者の記事について。たぶんもうごらんになったかとおもいますが、【外信コラム】北京春秋 犠牲者に名を与えよはなかなかいいですね。これで国外退去きまり?! |
nhatnhan625 2007/12/21 16:53 |
武閑老師、 |
マルコおいちゃん 2007/12/21 16:58 |
こんばんは。今回のエントリーの記事、慧眼ですね。なるほどそのとおりと思います。いぜんのエントリーの言語と国の関係と合わせて非常に参考になりました。このテーマで私もおいおい考えていきたいとおもいます。 |
日比野 2007/12/24 16:39 |
日比野さん、 |
マルコおいちゃん 2007/12/29 04:06 |
こんにちは。 |
goda 2008/02/26 17:35 |
godaさん、 |
マルコおいちゃん 2008/02/26 18:44 |
そうですね。 |
goda 2008/02/27 00:07 |
godaさん、 |
マルコおいちゃん 2008/02/27 16:25 |
レスに気が付きませんでした。 |
goda 2008/03/07 22:38 |
godaさん、 |
マルコおいちゃん 2008/03/07 22:48 |
ゲマインデは動物としての人間に天与の物だと思います。ですから格別に擬似とは思えないのです。 |
goda 2008/03/08 10:19 |
民衆は本来何の面子もないのであり、問題は官僚階級がいつ自分の面子を捨てることができるかである。 |
goda 2008/03/08 13:15 |
godaさん、 |
マルコおいちゃん 2008/03/10 16:18 |
レスを戴いていたようですね。失礼しました。 |
goda 2008/08/24 14:53 |
管理人様、はじめまして。 |
Bambi 2009/03/20 22:25 |
Bambiさん、 |
丸山光三(マルコおいちゃん) 2009/03/21 03:59 |
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