【シナの変容】 シナ秘密社会の概観

『洪門人による洪門正史―歴史・精神・儀式と組織』の世界に遊ぶ前に、まずシナ秘密社会の概観を。



イタリアン・マフィアの例でもわかるとおり、およそ近代成立以前のワイルドな社会にはそのような秘密社会はよく見られるものですが、シナ社会特有の秘密社会のあり方の特徴は何かと問えば、それは強力な中央集権権力から収奪され続けた民衆が自ら生き延びるために組織したもので、たびたび権力を揺るがし、また時に権力を倒してきた事にあるといえましょう。



またシナの歴史に見る特異な性質は、秦の始皇帝による統一と漢帝国による「シナ」成立以来の歴代王朝の交代は、すべてが権力簒奪の歴史であり、前後王朝の皇帝同士は原則としてほとんど関係がなく、ただ軍事的に覇権をうちたてたものが新たな皇帝となり新王朝を建てたことにあるでしょう。



つまり皇帝には誰でもなれた、またなれる社会であるわけです。たとえば漢の高祖・劉邦や明の太祖・朱元璋などは社会の低層から身を起こして皇帝になりあがったものでした。




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                 秦の統治をゆるがせた陳勝呉広の乱



そして皇帝となるや社会の富を一身に集め、民衆から収奪するだけ収奪しつくし、隋の煬帝にみられるような放縦な浪費により富が蕩尽され、収奪されうるものがなくなると、革命が起こり前王朝を打倒しあらたな王朝を建てる、ということの繰り返しでありました。



まことにドラステイックなロジックによる歴史ではありました。つまり正義も正統もない権力がすべてであるという、まさに生きるか死ぬかのサバイバル・ゲームとバトルロワイヤルという、実も蓋もないゲバルトむきだしのワイルドでタフな社会がシナ社会なのです。



われわれが今現在目撃中のチベットで生起している事態から、そのことが素直に納得されうることでしょう。



そのような社会が秦漢帝国により成立してしまった。その条件下で生き延びるために民衆は秘密社会をつくって自らを権力から防衛してきたのです。つまりシナの成立がすなわちシナ的秘密社会の成立の時期でもありました。



人々は生きるために仲間を求め相互に扶助をしてきました。まずは家族、氏族という血縁地縁関係がその中心です。そして何かの都合でその関係を離れなければならなかった人々が組織するのが職業組合や同業者同士の相互扶助、あるいは擬似的家族関係である親分子分関係、義兄弟関係であったでしょう。



また宗教も人々を結びつける強力な紐帯にもなりました。



伝統的な奴隷社会がうみだすゆがんだ社会構造のなかで虐げられた人々が結びつけば、政治的な要求も出てくるでしょう。あるいは権力から身を守るためには武装も必要であったでしょう。そうなると為政者から見れば反乱団体と目され弾圧されることになります。



しかし反乱者がパワーゲームに打ち勝てば、それはもう反乱者ではなくあらたな権力者なのです。これがわれわれが見続けてきたシナの歴史そのものだったでしょう。



あるいはそこまでは至らず、ただ社会の裏面で暗躍する「黒社会」となっていったものもあったでしょう。



これがシナにおける秘密社会であり、古代から現代まで変わることなくいき続ける、シナの政治権力と民衆による反権力(という権力)との構造的関係であるのです。すなわち、シナがシナであるかぎり、つまり「中国」という強大な中央集権を維持しようとするかぎり、のがれることのできない中央権力の陰画がシナ秘密社会なのです。



逆に言えば、シナ秘密社会とは、シナが「中国病」から治癒し、普通の国々にわかれ近代的社会を建設すればおのずと消滅してゆくものでしょう。そう考えるのは、見果てぬ地平に遠く眺望する、はかなくうつろう陽炎のようなものを夢想するに過ぎないかもしれませんが・・・




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